歴史と伝統の国・イギリス。
1066年、ウィリアム1世がノルマン朝を開いたことにより、英国王室は始まりました。
そんな英国王室と共に歴史を歩んできたのが、ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)です。
戴冠式などの王室行事が執り行われるほか、歴代の王や女王、政治家などの著名人が3,000人以上も埋葬されています(ニュートン力学のニュートンや、進化論のダーウィン、ブラックホールのホーキング、マクスウェル方程式のマクスウェル、原子核のラザフォードなど、歴史的偉人の方々がずらり)。
ダイアナ妃の葬儀(1997年)やウィリアム王子の婚礼(2011年)が行われたのもこの寺院です。
1987年に世界遺産に登録。
前置きはこれくらいにして、早速参りましょう!
ウェストミンスター寺院の前身は、960年頃に存在していたベネディクト派の修道院です。
当時のイングランド王・エドワード懺悔王(Edward the Confessor)は、修道院を改築し、現在の寺院の原型となる教会を造りました。11世紀のことです。
既にロンドンにあったセント・ポール大聖堂(イーストミンスター)に対し、ウェストミンスターと呼ばれるようになりました。
ウェストミンスター寺院が聖別したのは、1065年12月28日のことでした。
しかし、当のエドワードはそのとき既に病に伏しており、それから一週間後の1966年1月4日に死去してしまいます。
さっそく埋葬されることになってしまったんですね。
※聖別:キリスト教で、聖なる使用にあてるため、人や物を儀礼的にきよめ、世俗的使用から区別すること。(大辞林 第三版より)
1245年、イングランド王・ヘンリー3世(Henry III)は、教会をより立派なものにしようと、大々的に改築を開始しました。
1272年にヘンリー3世は死去しますが、改築はその後も続けられます。
象徴的な2つの塔が建築されたのは、1722年から1745年にかけてです(一枚目参照)。
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ところで、教会の中は基本的には撮影NGです。
撮影が可能なのは、このような廊下など一部のみ。
寺院のメインの写真はありません!残念です!
チャプターハウス(Chapter house)です。1245年から1253年の間に建てられました。
建築された当初は、ベネディクト派の修道士たちの集会に使用されていました。
また、14世紀頃、道路を挟んで向かい側にある国会議事堂で議会が開かれるようになるまでは、ここが政治の中心でした。
ステンドグラスがとてもきれいです。
写真には撮っていませんが、玄関には、イギリスで最も古いと考えられているドアがあります(1050年頃)。
かつて政治の中心だった頃に活発な議論が交わされた様子が壁画として描かれています。
庭に出てみました。
この庭も900年以上の歴史があります。
かつて修道院だった頃は、食物や薬草が栽培されていました。
この庭は、カレッジ・ガーデン(College Garden)と呼ばれており、解放されているのは火・水・木のみです。
いやぁ、とても良い気分です。
ヘンリー7世礼拝堂(Henry VII Lady Chapel)です。
1503年に建築が始まり、1516年2月19日に聖別しました。
内部には、ヘンリー7世とその王妃エリザベス・オブ・ヨーク(Elizabeth of York)のブロンズ像が設置されています。
また、壁一面には見事なステンドグラスも。
内部の美しさから、「イギリスで建てられた最も完璧な建物の一つ」と言われるほどでした。
残念ながら今回の記事では外観のみです!!
ハリーポッター感の漂う素敵な廊下。
そんな廊下から見上げた寺院。建物を支えるため、補助的に壁が飛び出しているのが分かります。
ウェストミンスター寺院は、基本的にはゴシック建築です。
ちなみに、日本の学校のチャイムでよく聞く”キーンコーンカーンコーン”というメロディは、1927年作曲の「ウェストミンスターの鐘」が元になっています。
それぞれ別日に撮った写真ですが、たまたまアングルが同じでした。なんとなく載せてみます。
ちなみに、手前のロンギヌスの槍みたいなやつは、クリミア戦争の慰霊碑です。
最後に再びヘンリー7世礼拝堂。
手前は、ジョージ5世像です。
さて、いかがでしたでしょうか。
撮影禁止の箇所が多く、内部の様子をなかなか伝えられなかったのが残念です。
とても美しく歴史あるウェストミンスター寺院。
ロンドンに訪れた際はぜひ見学してみてください。
【地図・行き方】
近くにはビッグ・ベンもあり、ロンドン観光の中心地です。
地下鉄・ウェストミンスター(Westminster)駅から徒歩3分程度で着きます。
【チケット情報など】
オープン時間:概ね9:30am ~ 3:30pm ※日曜日はお休みです。
オンラインチケット(事前購入):21ポンド
当日チケット(現地で購入):23ポンド
オープン時間、料金の詳細はこちら ⇒ Prices & entry times | Westminster Abbey
ウェストミンスター寺院の歴史など、詳細はこちら ⇒ History | Westminster Abbey
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