ふと、仙台から愛知まで原付で行ってみようと思いました。
仙台から愛知まではおよそ700km。
新幹線で4時間、自動車で8時間というまぁまぁの距離です。
なぜ、仙台から愛知か?
当時(2012年8月)ぼくは仙台に住んでいて、実家は愛知にありました。つまり帰省です。
時間もあったので、のんびり原付でツーリングしながら帰ってみようかと、我ながら頭の悪いことを思い付いてしまったわけです。
YAMAHAのVino(ビーノ)です。ブラウンのかわいい原付です。
こいつが頑張ってくれます。
- 1日目:仙台(宮城)⇒那須塩原(栃木)
- 2日目:那須塩原(栃木)⇒高崎(群馬)
- 3日目:高崎(群馬)⇒八王子(東京)
- 4日目:八王子(東京)⇒富士(静岡)
- 5日目:富士(静岡)⇒焼津(静岡)
- 6日目:焼津(静岡)⇒ゴール(愛知)
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それでは参りましょう!
1日目:仙台(宮城)⇒那須塩原(栃木)
9時過ぎに仙台を出発。
国道4号線をひたすら南下していきます。
基本的には大きな道路で比較的走りやすいのですが、福島との県境の辺りはずっと片側二車線で、けっこうきつかったです。
流れ早いし、トラックばかりだし、原付なんて吹っ飛ばされそうでした。煽られまくりました。こわかった……。
ちなみに国道4号線は、日本で一番長い国道です。東京都中央区から青森県青森市まで続きます。
12時、福島駅近くのすき屋にてしばし休憩。既に80kmほど走りました。
どうでもいいですが、レシートを見ると牛丼が280円です。時の流れを感じます。
その後も国道4号線を延々と南下していきます。
バイパスなんかもあり、けっこういいペースで進みます。
二本松、郡山、白河を過ぎ、16時過ぎには栃木に突入しました。
那須塩原に到着。
ひと際異彩を放つ、ピラミッド元氣温泉なる宿に素泊まりしました。
色々と謎でしたが、温泉気持ちよかったです。
初日の走行距離は240kmほど。はっきり言ってめちゃくちゃ順調です。
2日目:那須塩原(栃木)⇒高崎(群馬)
さて、2日目です!
ピラミッドパワーのおかげでしょうか、めっちゃ元気です。
10時に宿を出発。
もみじ谷大吊橋という全長320メートルの日本最大級の吊橋が近くにあるということで、寄ってみました。
なかなか良い景色が広がっていました。
きれいめの川があったので寄ってみたり。
塩原温泉郷です。
日塩有料道路を通り、山を越え、鬼怒川温泉経由で日光をひとまず目指します。
わざわざ有料道路を通らずとも、平地ルートで日光へは辿り着けるのですが、山越えルートをあえてチョイス。理由は「面白そうだから」。
料金所にさしかかりました。
日塩もみじライン~日塩龍王峡ライン~鬼怒川有料道路と、3つの有料道路を越えていきます。
原付の通行料金はとても安く、それぞれ50円、20円、50円の計120円です。
ヘアピンカーブも多数。
Vinoが栃木の山を越えていきます。
眺めの良い場所も多く、走っていてたいへん気持ちが良かったです。
どうでもいいですが、気分よく飛ばしてたら、4台で直線に並んで走るけっこうイカついバイク集団に追い付いて、そのまま料金所に着いたら、係の人が「お前だけ原付?!」みたいな顔してて面白かったです。
さて、あっという間に山を下り、今市へ。
遠くでカミナリ雲が空を覆い始めていました。
日光東照宮に寄ったタイミングで、めちゃくちゃ雨が降ってきました。
どうにも止まないので、覚悟を決め、カッパを着て、豪雨の中、高崎を目指すことに。
国道122号線をひたすら進み、群馬へ突入。
その間、完全にライダーズ・ハイ状態でした。
途中で雨は止みましたが、ずぶ濡れの体に風を受け、寒さでガタガタ震えておりました。
3時間後、高崎に到着。
今夜は友人宅に泊まらせてもらいます。
暖かいシャワーを浴びたのち、浴びるほどお酒を飲みました。
2日目は180kmくらい走りました。
3日目:高崎(群馬)⇒八王子(東京)
昨夜遅くまで飲んでいたせいでめちゃくちゃゆっくりのスタートになってしまいました。
友人に別れを告げ、13時に高崎を出発。
県道をちょこちょこと通りながら、秩父をひとまず目指します。
道の駅果樹公園あしがくぼにて。
原付なんて私だけです。笑
秩父名物ずりあげうどんをいただきました。
秩父の町をゆきます。
天然氷のかき氷が食べたかったのですが、気付かないうちに通り過ぎてしまいました。
武甲山(ぶこうさん)です。
セメントの原料である石灰岩の発掘跡が遠くからでも確認できます。
その後、順調に進み、18時過ぎに八王子に到着。
今夜は八王子の友人宅に泊まります。
3日目は120kmくらいしか進みませんでした。
というか、ゴールの愛知から見たら、高崎⇒八王子の移動って、別に近づいてないんですけどね。
あとこれは完全に余談ですが、八王子では二回も警察に呼び止められました。
一回目はひったくり犯かどうか調べられて、二回目は単純な職質でした。
警察官曰く「八王子を原付で走ってると職質されるからね~」だって。
人生で職質されたのは先にも後にもこの二回だけです。村上春樹じゃないけど、やれやれ。
4日目:八王子(東京)⇒富士(静岡)
また出発が遅れてしまいました。
13時過ぎ、のろのろと友人宅を出発。
相模湖です。出発したばかりですが、しばし休憩。
国道139号を進み、富士吉田市へ。
山梨側から反時計回りに富士山をぐるっと回ります。
肝心の富士山は、曇りのためほとんど見えず。
樹海を抜ける県道71号線です。まさか原付で樹海を横切ろうとは。。
途中、ずっと圏外でした。文明から隔離されてる感がものすごかったです。
17時半過ぎ、富士宮市に突入。
そこそこ強めの雨が降ってきました。
止む気配もなかったので、これ以上の移動は諦め、4日目は富士川楽座という道の駅で野宿することに。
移動距離は130kmほど。もうちょっと移動したかったのですが、やむなしです。
5日目:富士(静岡)⇒焼津(静岡)
おはようございます。時刻は早朝5時。
写真右のベンチで一晩を明かしました。
いざ出発!と気合を入れ出発しましたが、5日目は結局ほとんど進むことができませんでした。
豪雨の直撃に遭ったためです。
雨は一向に止まず、どうにも動けないため、10時半頃、早々に焼津のネカフェに避難。そして籠城開始。
結局、5日目の移動はこれにて終了しました。走行距離は60kmほど。南無。
6日目:焼津(静岡)⇒ゴール(愛知)
雨が止んだので、ネカフェを後に。
9時半頃スタート。23時間くらいネカフェに滞在していたことになります。
おかげでたくさん漫画を読むことができました。
太平洋を左手に、海沿いの道をゆきます。
愛車を横に並べて、ツーショットをパシャリ。
浜岡原子力館に寄ってみました。
実物大の原子炉模型とかあって興味深かったです。
写真は、その近くにあった風車です。
もう愛知は目と鼻と先。雨雲も去り、のんびりとしたもんです。
浜名湖料理はませいというお店で浜名湖名産うなぎを食べました。2,800円。うまし!
16時、愛知に突入です。
その後、しばらく走ったのちゴール。
6日間の原付の旅が終わりました。
最終日の走行距離はおよそ170kmでした。
辿ったルートはざっくりこんな感じです。
思っていたほどは疲れませんでした。まだまだ走れそうでした。
ちなみに野宿のため一人用テントも積んでいたのですが、結局一回も使用せず。
いやはや、けっこう達成感ありましたね。
皆さんも、原付という長距離移動には不向きの乗り物で、あえて旅をしてみてはいかがでしょうか。
ところで、愛知に着いた直後、ぼくは気付いてしまいました。原付でまた仙台に帰らなくてはいけないという事実に……。
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