皆さんごきげんよう。
今回は東京都内に眠る米軍基地跡をご紹介します。
舞台は東京都府中市。
閑静な住宅街の一画に終わらない戦後の世界がありました。
その名も、府中通信施設。
府中トロポサイトとも呼ばれるその施設は、長らく米軍の留保地でした。
"WARNING"と書かれたゲート。遠くからでも目立つ巨大パラボラアンテナ。
一体どんなところなのでしょうか。早速覗いてみましょう。
東京都内に眠る米軍基地跡
フェンスの向こうに佇む朽ちた建物。
府中通信施設(施設番号:FAC 3016)は、アメリカ第5空軍第374空輸航空団が管理していた在日米軍通信施設です。
元々は1940年に旧陸軍燃料廠として設置された施設でしたが、1945年に米軍に接収されると、それ以降は米軍施設として使用されることになります。
1975年に通信施設を除く大部分が日本に返還され、航空自衛隊府中基地や府中の森公園などとして整備されましたが、一部の土地は留保地として長らく手付かずの状態が続きます。
全部の敷地と土地が返還されたのは2021年9月30日でした。
意外にもめちゃくちゃ最近なんですね。
整理すると、米軍が所有し続けた通信施設と、1975年に返還されたものの留保地とされた土地の一帯が未だに残っているというわけです。
外周はフェンスで囲まれており、樹木が生い茂った様子が伺えます。
よくよく考えると、この敷地はなんだ?となりそうですが、気にしない人も多いでしょうね。
住宅街に面する箇所も。完全に周囲に溶け込んでいます。
閉ざされたゲート。今では開くことはありません。
警告文。しっかりと在日米軍基地と書かれています。
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住宅街に突如出現する巨大パラボラアンテナ
府中トロポサイトの一番の目玉?は2基の巨大パラボラアンテナ。
住宅街にパラボラアンテナが潜むという不思議な光景。
非日常に思えますが、ここに住む人々にとっては日常なんでしょうね。
見やすい場所に移動。
2基の巨大パラボラアンテナが藪の海から顔を出していました。
通信用の鉄塔も見えます。
少し引いてみました。
写真右手、敷地のすぐ傍まで住宅街が広がっているのが分かります。
しかし藪の浸食が凄まじいことになっていますな。


アンテナの直径は約14mで、北北東方向に向けられています。
かつては国内外のさまざまな基地と交信していたのでしょう。
フェンスの向こう側「終わらない戦後」
フェンスの隙間から。今では誰も通らない基地内の道路。
残された建物は朽ちる一方。557と書かれた数字が判読できます。
隣接する駐車場から丸見えの廃墟。蔦がいい味を出していますね。
フェンスの向こう側にある「終わらない戦後」の世界。
時を止めた状態の米軍基地跡は、果たしていつまで残り続けるのでしょうか。
敷地をぐるっと一周しました。…帰りましょう。
おまけで最後にパラボラアンテナ。
おわりに
さて、いかがでしたでしょうか。
この米軍基地跡、一時期は解体の噂もありましたが、まだまだ健全でした。
しかし全面返還に伴い、今後土地の再活用方針等が徐々に定められていくことと思います。
巨大パラボラアンテナが気になる方は、解体されないうちに、早めに訪れることをおすすめします。
…とはいえ急に活用方針が決まるとも思えないので、しばらくは在り続けるでしょうが。。
(少し前に国立医薬品食品衛生研究所や国家公務員宿舎の移転計画もありましたが、結局中止になっています…。)
なお敷地内は立ち入り禁止です。訪問する際は、外部からの見学に留めましょう。
また付近は住宅街ですので、近隣住民へのご配慮をお忘れなく!
■住所:〒183-0001 東京都府中市浅間町1丁目9−13
(訪問:2021年10月)
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【廃墟その②:田老鉱山】